デザインの素材は顧客の要望である

design

デザインはデザイナーの想像力が全てと思っていました

私が広告オペレーターを経て、初めてデザインと呼べる仕事についたとき、最初に担当したのが大手飲料メーカー様の店舗販促作成のお仕事でした。 20歳の頃にアルバイトで、スーパーのポップライターをしていた私は、スーパーなどで展開される販促ツールの作成にはなじみがありました。

 

また、ようやくつけたデザイナーという仕事に意味もなくプライドもあり、デザインを否定されることは自分を否定されることのように感じておりました。 私とともに仕事を担当していた営業マンは、企画もプレゼンもされる方で、私の仕事はその人の企画内容を聞いてデザインを作ることでした。 ここで大きくぶつかった壁が、ゼロからデザインを考えることの難しさでした。

 

全く材料のない中で、店舗販促一式を作成するほど技術力はなく、この次期ほど想像力とはどういうものなのか悩んだ時期はありません。 私は、デザインとは想像力だと思っており、いろんなデザインや店舗販促を見る事で養われていく才能のようなものだと思っておりました。

デザイナーを変えてくれと言われて気づいたこと

入社して3ヶ月ほどで大手飲料メーカーの担当者から「デザイナーを変えてほしい」と言われました。

 

広告オペレーター時代は「最速で一人前になるには、人の倍仕事をこなし勉強する事が全てだ」と思っておりました。ただ今回のようにデザインという発想の部分は、どう努力すれば良いのか全く想像もできず、無念でなりませんでした。

 

努力の方法がわらからない私は、以前MACパソコン教室に通った際の講師を探し連絡をとりました。専門学校に行くほどお金がなかった私は、その方にデザインを学ぶため、またパソコン教室に通い始めました。パソコンを習いながらデザインの考え方をたくさん教えていただきました。そこで初めてデザインとは「様々な計算から出来上がる結果である」ことを理解しました。

デザインを考えるのではなく何を求められているかを考える

現在ではマーケティングや広告運用も行っている私にとってはとてつもなく当たり前のことですが、当時は「デザインは見た目ではなく、求められている事に答えるものである」ということに驚きました。いかに自分が自己主張が強く、自分が良いと思ったものだけをデザインだと思っていたかを痛感させられました。

 

教室に通うことで新たに気づいたことは、「エンドユーザーは、クライアントは、いったい何を求めているか。」でした。営業から聞く企画内容だけでは到底想像がつきません。もっと顧客の声や現場などの、本当の目的が知りたいと感じました。またその目線から、他店舗に通い、店舗や商品の陳列の仕方から自分がどう感じるかを意識するようにしました。

 

そこから3ヶ月、営業から言われたことは驚く程メキメキと成長したとのことです。私の中で腑に落ちたことと、勉強の仕方がわかったからだと思います。

デザイナーとは、人の目線に立てる事が何よりも成長スピードを加速させるものだと気づきました。

エンドユーザーの声を数字で把握する

数ヶ月後、大手飲料メーカー様の仕事から、子供服メーカーの店舗展開へと移動になり、今度はそこで店舗設計デザイナー、ファッションデザイナー、営業部の方々とお仕事をすることとなります。そのお話はまたの機会にさせていただきたく思います。

 

あれからずいぶん年数がたち、私の中では「クリエイティブ」と「マーケティング」が同列となっております。現在はその両方の目線から、どちらにも偏りすぎないデザインの提供を考えております。確証ある数字分析結果により、独創的なクリエイティブを作成することで、どこにもない独自性と、世の中の希望からズレないデザインを提供できると確信しております。

PageTop