もう自社で企画はしない。全てデザイナーに依頼する時代の到来

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昨今、企画自体をデザイナーに依頼する企業が増えてきました。以前までですと、社内で企画したものをデザイナーに伝え、その企画に基づいてデザインを行うことが多かったようですが、それでは企業目線から離れることができず、今までにないアイデアは浮かびません。

 

競合他社との差を圧倒的につけるには、想像もしなかったような自社商品の「見せ方」や「強み」を、デザイナーの目線からみつけてもらうことが重要です。

 

そのために、デザイナーへの依頼の仕方が変わってきています。

アイデアや企画自体をデザイナーに依頼することで始めて、企業目線だけではない、今までにない尺度の商品や広告が生まれるため、複数ある競合から抜きん出た戦略で商品を打ち出すことができるのです。

 

つまり今、企業とデザイナーとの関わり方が大きく変わろうとしているのです。これは「モノ」がない時代が去り、ある程度モノが行き渡った中で、次に必要とされている「コト」に焦点があたっていることが大きな理由です。

 

消費者の心の変化をとらえ、デザインに対する意識やデザイナーとの関わり方を変えることが、今後自社商品を選んでもらうための重要な鍵となるでしょう。

では、企業はデザイナーとどのような距離感で仕事をしていくのが良いのでしょうか。

マーケティングは企業が、デザインはデザイナーが行う分担制が効果を上げる

まず、デザイナーに企画をしてもらったとしても、デザイナーが出した企画やアイデアで本当にその商品を売る事が出来るのかが疑問ですよね。

商品やその商品を売りたいターゲットのことは、企業側が一番良くわかっています。今までの様々なマーケティングや競合調査で、どのような売り方が響くかも把握していますよね。その上での依頼ですから、デザイナーはよっぽどその企業のことを短期間で知り、競合のことも把握しておく必要性がでてきます。

 

 

マーケティングにかかわりを持たないデザイナーが、本当に売り方も意識したアイデアを出してくれるのでしょうか。

 

実は、そこが企業側の力の見せ所です。デザイナーには、企業側の意向やターゲット、自社の強みなどを伝えても、マーケティングについての知識は求めません。
なぜなら、マーケティングを考えたデザインは、狭い箱に閉じ込められてアイデアをねるようなもので、本来デザイナーが持っている、普通では考えられないようなアイデアや見せ方を出す事ができなくなってしまうからです。

 

 

デザイナーにはあくまで、のびのびと発想力をもってアイデアをデザイン化してもらいます。そして、その唐突に見える企画力やアイデア、全く違う視点から生まれた見せ方を、どのように世の中で見せていくか調整していくのが企業側の仕事となるのです。

企業側に求められるスキルはアイデアを数字に置き換える柔軟力

さて、企業側に求められるスキルはマーケティング力だけなのでしょうか。実は、企業の担当者がなかなか脱却できないのが「今までの実績視点」です。

 

例えば、デザイナーから想像もしなかった企画やデザインを提案されたとして、大半の企業担当者が言ってしまう言葉が「それは当社のカラーとは違うからダメだ」「今までやったことのないことだから無理だ」です。

 

今、課題があり、伸び悩んでいるためのデザイン発注であるにも関わらず、つい守りに入ってしまうことが多々あります。

 

企業側の担当者としては冒険することでリスクをおかしたくない。が本音の部分です。確かに、今までにやったことがないような見せ方を行うには、上司の許可も必要ですし、結果が出なかった時の責任問題もあります。

 

デザインやアイデアは、答えがないものです。思い切ったデザイン変更や訴求変更がプラスに働くかは想像できませんし、マーケティング的に考えると、成功事例からかけ離れた施策を行うのは危険すぎます。

 

しかし、それではいつまでたっても、今よりちょっと良くなるか、もしくは悪くなり続けるかの一進一退から抜け出せません。企業側に求められるスキルは、その企画やアイデアをどう展開するか、どう戦略的に広告などで認知させるか、どう会社のイメージを変えすぎることなく取り入れて、落とし込むか、になるのです。

マーケティング感覚をもったデザイナーであれば悩みは一気に解決

アイデアや企画の良い点を壊さず、数字がとれる戦略やデザインに置き換える手腕はかなりのものです。特にそのような経験をしたことがない担当者ですと想像がつきませんため、「その企画は却下」という事になるでしょう。何度も試せる環境であれば問題ないのですが、企業に所属している以上、結果を出さなければいけません。

 

しかし、デザイン事務所も昨今では、マーケティングの知識をもった会社が多いのも事実です。つまりアイデアや企画を提案しながら、それを現実的に落とし込んでくれる所までやってくれる場合もあり、企業側の担当者が必要以上の知識をもつ必要が無いケースもあります。

 

 

一番理想的な形は、企画力に富んだデザインを出しながら、それを成果に結びつけるための広告的手法や戦略も同時に提案してくれることです。そうすれば、企画やアイデアが突飛であっても、広告で調整をかけ、見せ方をABテストしていくなど、結果を出す為の様々な手を打つ事が出来ます。

 

 

デザイン事務所の見つけ方としては、デザイナーがマーケティング力があることが一番理想です。部署がわかれているなどすると、それぞれの売上のために、多くの施策を提案されてしまう可能性があり、費用がとてもかかってしまいます。デザインとマーケティングの両方で話し合いができる人と仕事ができれば、企業側の負担やストレスは大きく改善されることに間違いはないでしょう。

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